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不動産のお話 No.Ⅷ

 前回、これからの町づくりは、行政と民間が一体化してやっていかなければならないというお話をしました。これからの町づくりでは、これが一番必要であろうと思われます。しかし、この官民一体というのがなかなかうまく機能しないというのが世の中の動向のようです。

 うまくいかない原因は何かといいますと、町づくりの具体的なアイディアが非常に少ない事だと思われます。今、老若男女を交えて色々な立場を乗り越え、意見を交換しその方針をまとめ上げていく事が必要です。そして、決まった事、決めた事は必ず実行するアクティブ(行動)が必要だと思います。

そういう意味で小松では草の根的活動が有効ではないかと思われます。そういう活動を始めますと、まず補助金がどれくらい貰えるんかな、から始めたくなります。しかしこの補助金から始まりますと、だいたいが失敗というのが実情ではないかと思われます。

 それは身銭を切ってでも自分の小松への思い、夢の実現をしようという強い思いが欠けているからではないかと思います。逆にまた夢のような大きな話で、実現性が全然ない架空の絵空事を現実の町づくりとして捉えようとする傾向があるように感じられます。

 私たちは今この小松に具体的にどう関与していくか?この社会にどう貢献していくか常に考えなければならなくなってきています。

 深刻な少子高齢化社会が到来します。特に小松のような10万都市はもろに影響を受け、人口減少が極端に進むでしょう。その時に老人の世話は誰がするのでしょう。それは他ならぬ元気な老人がするしかないのではないかと思っています。

 今までの流れでいえば若い者が年寄りの面倒をみるというのが当然の考え方でしたが、その若者がほとんどいなくなれば、元気な老人が元気でない老人の面倒を見るというのが当然でしょう。

 その為にどうしなければならないか、都市計画的に考えてみればそれは、生きがいを持ち健康で知的な老人が育つ環境づくりを小松の都市計画の中に取り入れていく事です。

木場潟の整備により歩ける老人を作り出す、又同様に梯川の整備により、歩ける堤防を作り、歩ける元気な老人をつくる。その上その木場潟・梯川でコミュニケーションができる場をつくる。それに梯川の防災に対する関心を深めていく。そんな都市計画を取り込んでいけば、元気な年寄り、医療費のいらない地域経営を目指せるのではないでしょうか。元気で働き甲斐のある老人の為の施設の設置こそが、必要と思われます。

 老人が老人の面倒をみると発送を変えただけで色々なアイディアが出てきます。今は無い物ねだりではなく、あるものをどう生かしていくか、都市計画の中に取り込んでいくかが大きな勝負の分かれ目ではないかと思われます。頑張りましょう。

 元気な年寄り、健康で意欲を持った年寄りになろう。

          都市 研究家            

不動産 遊民 調 亮

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