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サスティナブルな社会を目指してXV

 難民、なんて恐ろしい言葉なんでしょう。「難民」とは、政治的な迫害や武力紛争、人権侵害など様々な理由から、自分の命を守るためにやむを得ず国境を越えて他国に庇護を求めた人々のことです。今全世界では約8,000万人もの難民が故郷を追われ、受け入れてくれる安全な国へと逃れてきています。  
一方で、難民を受け入れた国は大変な苦労を抱え込むことになります。例えばドイツ統一から30年経ちましたが、同一の人種であっても、東と西が同等となるにはかなりの年月と両国民の努力が必要でした。ましてや人種が違えばなおさらです。経済力や基礎学力、文化が違う民族が同居して、うまく国を運営していくことは至難の業なのです。
日本は世界の中でも最も難民慣れしていない国民と言えます。1万人を超える難民申請数に対し、難民認定されたのは50人足らずという、他の先進国に比べて「難民鎖国」と呼ばれるほど認定に至るのが大変厳しく、加えて申請結果が出るまでに数年かかることもあり、その間働くこともできず医療費も全額実費立替しなければならないという過酷な現状です。
 しかしながらそんな日本でも、これからさらに難民が多くなる可能性は十分あります。そのような状況になった時、はたして日本の政府は対応できるのでしょうか?
現在でも全国17か所の入管収容施設に収容される難民申請者は、自殺者、自殺未遂が後を絶たず、また医療を受けられずに死亡することも多々あるそうです。それなのに益々増えていくことになれば、今の体制ではまず無理だと思います。対応は遅れる一方になるでしょう。
自衛隊についても対応できるのでしょうか?日本の自衛隊の体質を、戦争に備えることではなく、国内の維持管理を主体にする体制に変えておくべきだと私は思います。国内の災害対策、治安維持、救助対策を迅速に対応できる体制こそが、これからの自衛隊の任務とすべきではないでしょうか。
 憲法第9条の改正は、従来の軍隊としてではなく、上記に述べた自衛隊にするような改正をすべきだと思います。これからは難民に対しても排外的、排他的ではなく、融和的に治安を維持しつつ、日本の良さを守っていける体制こそが求められるのではないでしょうか。
世界の人口は現在の77億人からいずれは90億人を超えると予測されています。私たちは世界から目を背けてはいけません。自分たちだけがうまくいきさえすれば良いという、そんな虫の良いことはこれからの世界には通用しなくなります。今後日本にやってくる難民は増え続けていくでしょう。常にその事を頭に入れ対策を怠りなくしましょう。

                            不動産遊民
               都市研究家 調(しらべ) 亮(わたる)

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